こんにちは!ひろさんかくです。
ミステリー作家の湊かなえさんと言えば、デビュー作であり、映画にもなった『告白』が印象に残っている。映画の松たか子の「どかーん」と電話口で叫んだ時の怖さと言ったらない。なので、本屋に行くと、なんとなく著者の新作に目が行ってしまう。
今回も、たまたま、本屋の文庫本コーナーに平積みにされていて、しかも、史上最高の号泣ミステリーとまで帯に書いてあるので、思わず手に取ってしまった。
この手の帯の大げさなキャッチフレーズには、湊さん以外で、何回か痛い目にあっているが、それほど厚くもないので迷わず買った。2度ほど読んだので、読書感想文をアップします。
『絶唱』by 湊かなえは史上最高の号泣ミステリーだそうな
概要・あらすじ
トンガ王国という太平洋、オセアニア、正確には、ニュージーランドの右斜め上あたりの島国。その島に住むゲストハウス経営者の女性。阪神大震災。この3点がこの物語のキーワードである。
4つの物語から構成されるが、それぞれが、この3点に結びついている。一方で、結びついてはいるが、物語としての連続性はなく、時系列も順番ではない。
筆者が伝えたかったことは、この震災で、心の傷を負った登場人物達が、トンガという平和でのどかな島と、日本人にしてトンガに溶け込んでいる経営者の女性によって、助けられ、癒やされていく物語の集合体である。
感想
細切れで読んだせいもあるかもしれないし、私の読解力が低下、そもそも、読解力という能力が欠如しているだけかもしれないけど、ところどころ、話についていけない箇所があった。
4番目の物語が特に。
この小説全体が筆者(≒ご本人?)の独白のような手紙形式のスタイルが、よりそうさせているのかもしれない。速読気味で読んでいくと意味が取りにくかった。
再読したら、なるほど、こういうことかと分かり、良い作品だったと思う。残念ながら、帯の「史上最高の号泣ミステリー」には、私はならなかったけど、誇大広告とまでは行かないと思う。
いずれにせよ、トンガというのんびりしていて、平和で、ゆったりしている島国に行ってみたくなった。
ネタバレ含む感想
ネタバレを読むとつまらないのでご注意を。
最初の物語では、主人公が震災時に、ある事情から、双子の姉妹で犠牲になった方の身代わりで生きていくことを両親から求められる不幸とその静かな狂気が描かれている。
無謀な旅をゲストハウスの経営者に救われる。
第二話は、やはり、震災で友人のお蔭で奇跡的に生き残った主人公の女性。その元フィアンセの持つ心の闇。好きだった相手に対し、いくつかの出来事や、その持って生まれた性格を知るにつれて、気持ちを失っていくサマがリアルに描かれている。
ゲストハウスの経営者に見守られ、励まされ、苦しい時を乗り切る。
第三話も、父親を震災で目の前で失った女性の物語。人を殺すことはできないから、望まずに授かった命を粗末にする選択肢は取れず、育てる決心をするが、若すぎたゆえに、本人が本来持っていた心の優しさを失っていたことに気づいていく。
女性経営者の言葉によって。
最後、震災の二次災害で親友を亡くし、何もしてやれなかったと心に傷を持っている。小説家となり、月日もたち、ゲストハウスの女性経営者の励ましで前を向けるようになっていく。
全四話、震災で傷ついた登場人物が、ゲストハウスの日本人女性経営者と亡くなったトンガ人の夫から、前を向けるように変わっていく様子を、トンガ王国という異なる環境下での特異な体験として描かれている。
今後の予定
時間があったら、トンガ王国についてリサーチしよう。




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