「わかりあえなさ」をわかりあう「トラNsれーショNs展」

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こんにちは!

とうとうやってきた「トランスレーションズ展(正式には「トラNsれーショNs展」)」。六本木の東京ミッドタウン内にある21_21DESIGN SIGHTで3/7まで開催中。

主催のドミニク・チェンさんは日本の情報学研究者・起業家。仏語と日本語が母国語で英語も話す。母が日本人、父は台湾出身のベトナム人とのハーフで日本のフランス大使館で勤務し、後にフランスに帰化された。

御本人は小学校までは日本のフランス語のインターナショナルスクール、中学から高校時代はパリ、その後、ロスのUCLAを卒業し、東大で博士に(ウィキペディアより。一部、ラジオ番組のインタビューから補足)。すごい経歴。

ピーター・バラカンさんDJのFMラジオ番組(ライフスタイル・ミュージアム)に出演された際、この展覧会の紹介で、(一言で)翻訳できない言葉(単語)、つまり、最も翻訳しにくい単語のひとつとしてポルトガル語「サウダージ(Saudade)」の紹介があった。

日本語にすると「心の中にはなんとなく、ずっと持ち続けている、存在しないものへの渇望や、または、愛し失った人やものへの郷愁」。たしかに日本語で該当する言葉がないかもしれない。これを聞いて、居てもたってもいられなくなり、今日に至る。

この「トラNsれーショNs展」のコンセプトは、人は感覚や気持ちを言葉に翻訳するが「うまく言い表せない」もどかしさを感じる。そのような中、他者とのコミュニケーションにおいて「わかりあえなさ」「言葉にできなさ」をわかりあう。「わかりあえなさをわかりあう」。

語学の翻訳以外に手話、モールス信号、振動などあらゆる「翻訳」に関する取り組みが展示されている。

「わかりあえなさ」をわかりあう「トラNsれーショNs展」

21_21DESIGN SIGHT
主催のドミニク・チェン氏

仏語、日本語、英語、中国語を織り交ぜて、自然に語るデモ

ファウンド・イン・トランスレーション

グーグル・クリエイティヴ・ラボ等の協力で、マイクに言葉を話しかけると複数の言語に翻訳される。その翻訳過程がビジュアライズされており圧巻

お目当ての翻訳できない世界の言葉

2番めのハンガリー語も日本語にはないけれど、結構、大切な言葉。3番目のイヌイット語はあるある。4番目の韓国語も重要。日本語の単語への置き換えができない言葉達

絵はイラストレーターのエラ・フランシス・サンダースの『翻訳できない世界の言葉』より

HUMAN X ShARK: サメとの対話

サメが好むフェロモンをダイバーの身体に擦り付けて泳ぐ実験。ご覧の通り、サメの群れ

多言語会話の世界
モヤモヤルーム

人のモヤモヤした気持ちをヒアリングしながらイメージ化

その他:

他にも障害を持った方がモールス信号を活用したり、耳の不自由な方が振動の強弱で音を聴く取り組み、更には、読唇術の専門家が葉っぱの気孔の開閉を唇とみなし読唇を試みるユニークな取組がある

感想

グーグルの翻訳がAIによる機械学習の効果もあり、翻訳精度に加え、翻訳対象の言語が増えている説明があり興味深い。一番広い部屋での多数言語への翻訳プロセスのデモは圧巻。エラ・フランシス・サンダースの『翻訳できない世界の言葉』は、絵本みたいだけど買ってしまいそう。

それほど、広いエリアではないので、ゆっくり回っても1時間くらいで見れる。新しいことや知らないことに触れて脳に刺激を与えると言う意味では非常にオススメの展覧会かもしれない。

不要不急ではないけれど行ってしまった。緊急事態宣言で開演時間も短縮されているが、週末でも来場者は非常に少なく、いわゆる蜜の状態ではなかった。

当面、ある程度、活動は制限しないといけないが、決められたルールの中での慎重な行動は、静かに続けようと思っている。元々、出不精なので、何もなければ引きこもってしまう。

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