本当にリアルなカウボーイ映画「ザ・ライダー(The Rider)」

こんにちは!

先日、アメリカで活躍する中国出身の女性映画監督クロエ・ジャオの映画「ノマドランド」を見た。実際のノマドの人々を多数起用したり、アメリカの広大な景色を美しく描いていることに感銘を受けた。その監督の長編映画は「ノマドランド」も含めて3作。2作目の「ザ・ライダー」で評論家から高評価されたらしい。早速、見てみた。

本当にリアルなカウボーイ映画「ザ・ライダー(The Rider)」

概要

原題「The Rider」は2017年のアメリカ映画。脚本、制作、監督がクロエ・ジャオ。105分。なんとキャスト全員が実際の本人を演じている(主人公家族だけは映画用に名字は変更)。つまり、全員がプロの俳優ではなく、一般人が自分自身を演じているのだ。結果的に、ドキュメンタリーとしか思えないようなリアリティがある。

舞台はアメリカ中西部のサウスダコタ。サウスダコタはノースダコタ、ミネソタ、アイオワ、モンタナ、ワイオミング州に囲まれる。国立公園などの大自然と農場や牧場が多いエリアだ。メジャーリーグがなく、白人の人口構成比が高い。二番手はインディアンであるのも特徴的。

この地域にあるイエローストーン国立公園に旅行で行ったことがある。車でアイダホ、モンタナ、ワイオミング州辺りを横断した記憶がある。西海岸や東海岸と比べるまでもなく田舎。じゃがいも畑やバッファローの記憶しかない。

あらすじ

ロデオのスターであった主人公のブレイディは落馬事故で頭蓋骨骨折の重症となる。家族は父と妹の三人。父はギャンブルや酒に散財し生活が苦しい。妹は発達障害を抱えている。ブレイディの憧れだったロデオの先輩レインも落馬事故で重度の障害を抱えている。

レインは要介護状態であり、脳の損傷もあり話すこともできない。主人公のブレイディは右手の指の関節がこわばる症状と激しい乗馬では気持ちが悪くなってしまう。

それでも、カウボーイ(馬の調教やロデオ)をやめる気がないブレイディ。怪我の影響で医者からは安静に過ごすように言われても聞かない。

一生懸命、レインのリハビリを手伝うが、怪我による脳の損傷がひどく苦しい。気の毒で泣き出すブレイディ。生活苦しくコンビニエンスストアで働くが、今でも子供達の憧れの的だ。

立派な競走馬になると調教していた馬が足をけがして殺処分する。自身が馬だったら、走れなくなった段階で処分される。人間であるから処分されない自分がいる。自身のアイデンティティを取り戻したくて、家族の反対を押し切りロデオの大会に出る決心をする。

危険なロデオの出番が回ってくる。生き残れるのかブレイディ。そんな中、遠くから見守る家族達。最後にブレイディが取った行動は?!

感想

アメリカの中西部は、どちらかと言うと保守的なエリアで、カウボーイ文化などアメリカそのもののようなイメージがある。それを中国出身の女性監督が実際の現地の人々をキャストとして映画に仕立てる。この次の作品「ノマドランド」でもほぼ同様の手法だ。

脚本はあるが、登場人物が実在の人物のため、リアルそのものだ。ドキュメンタリー以上にドキュメンタリーのようなフィクションだ。この映画でもところどころ、中西部の牧場や広大な自然が美しい。

「ノマドランド」では生活の一部としての車(RV)が描かれていたが。この映画ではもちろん、馬だ。

ブレイディが暴れる馬を調教するシーンがある。徐々に馬に人間を慣らしながら、最後は跨り、人を乗せ、従うところまで教え込む。なんとなく見てしまったが、今、思えば、普通の俳優ができる技ではない。

このシーンでの鬼気迫るブレイディの表情や演技が、映画のクライマックスのように感じる。素人ながら、彼のカウボーイとしての才能には疑いようがない。

そのブレイディのように、カウボーイであることが当たり前のような地域で、そのスターが重症を負う。走れない馬のように惨めな気持ちになる。乗り越えられるか?立ち直れるか?

人間であるがために、乗り越えないといけない、立ち直らないといけないと言う強いメッセージを感じた。

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