こんにちは!
半年くらい前、会社のリーダー研修で、サイモン・シネックのTED Talks「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」を紹介してもらい非常に感銘を受けた(最近、毎日、感銘を受けたと書いている気がする)。その時のブログ記事はこちら。
たまたま、本屋でフラフラ歩いていたら、サイモン・シネックの本『WHYから始めよ!』が目についた。ちょうど、リーダーシップ論や組織マネジメントの関係で、新しい情報が欲しかったから迷わず手に取る。
あのTEDの『WHYから始めよ!』サイモン・シネック
概要
サイモン・シネックは企業や組織に対し「人々をインスパイア(鼓舞)する方法」を伝授してきたコンサルタント。米連邦政府、米国軍(陸海空軍、海兵隊等)などの政府系から、グローバル企業(AAA, ディズニー、ドイツ銀行等)に対し、リーダー論を伝えてきた。
著書『WHYから始めよ!』はミリオンセラー。2009年のTED Talksでの「WHYの力」の紹介では、視聴回数ランキング3位(5,260万回再生 2021/5/9時点)
元も子もないが、この258ページある本を読むより、17分程度のこのTED Talksの動画を見る方が理解は早いかもしれない。
ゴールデン・サークル
優れた企業のトップは、WHY(理念や信念)を固め、それを実現するためのHOW(手段、アクション)、最終的に製品やサービス、ひいては成果としての実績(WHAT)を提供する。
広告宣伝でも「最高のコンピュータを作った(WHAT)。美しいデザインに操作性も高い(HOW)。いかがですか?」のようにWHATから訴えては心に響かない。WHY(心に)から訴えよと説く。
「限界に挑戦し、他社とは違うのが我々の信条(WHY)、美しくデザインし、操作性を高め、極限の性能を実現(HOW)、今回、素晴らしいコンピュータが誕生した(WHAT)」のように。
サイモンは、脳の構造から、信頼や忠誠心という感情の機能や行動や意識決定などの機能もつかさどる「大脳辺緑系」に訴えよと説く。あいにく、この感情の部分には言語能力がない。人は言葉では具体的に説明できなくても、直感による決断を正しいと感じる。
情報量が多く、言葉(WHAT)で考えても考えても、本当に正しい結論を出せたか、いつまでも自信が持てないのはそのため。

ティッピング・ポイント
このコンセプトは、シリコンバレーの経営者のバイブルのようなジェフリー・ムーアの『キャズム』に詳しい。
新しい画期的な製品やサービスを提供し始めた時、イノベーター(導入者)のような何でも新しい製品に飛びつく顧客がいる。企業は、早期にイノベーターやアーリーアダプター(初期採用者)の心をつかみ、この山(キャズム)を超えて、アーリーマジョリティー(初期多数派)を確保することが成功の秘訣となる。
山の右側の層は、製品の革新性などに興味はなく、価格勝負となる。最初から、そこで戦っては勝ち目はないと説く。

WHYを忘れて苦境に陥った企業
創業者が去り、企業の精神などWHYを失った企業の例を多数紹介している。アップルが典型例。
まとめ
サイモンは「みずからをインスパイアするように、人々をインスパイアする」という志を持って、毎朝、ベッドから這い出るWHYにしている。
第14章「新たな競争」のまとめの部分にしびれたので、以下、要約を記す。
「WHYを明確にすることは、誰かに勝とうとすることではない」
顧客に自社製品を推薦する際「今、している我々の仕事は半年前より良い。半年後にはさらに良い仕事をしている。なぜ、毎朝、出社するか明確なWHYを持っている。自らをインスパイアするように、人々をインスパイアするために働いている」
「我々の目標は、我々が信じていることを信じてくれる顧客を見つけること。そのために力を合わせ、同じ目標を目指し、協力してくれるパートナーを探している。我々の理念を実現するために、具体的にしていることは・・・」
この後、HOW(性能、特徴)やWHAT(製品)の説明が出てくる。
感想
『WHYで始めよう!』を読んで得たtake away(学び)は、仕事にしても、人生にしても、日々、何のためにやっているのか、目標、目的、信念、実現したいこと、願いなどを忘れてはいけないということ。
サイモンのように、ベッドから這い出る理由(WHY)を持つこと。
このWHYを忘れて、ただ、HOWやWHATだけをこなしていると、いずれ、何のためにやっているのか分からなくなる。このブログもそう、TABICAもそう、何のためにやっているの?を見失ってはいけない。
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