アカデミー賞まっしぐら?!「サウンド・オブ・メタル」

(読むのに3分はかかる)

こんにちは!

昨日、アメリカの映画オタク3人によるポッドキャスト番組「スラッシュ・フィルムキャスト」2020年トップ10映画をお伝えした。早速、その3人が推している「サウンド・オブ・メタル -聞こえるということ-(Sound of Metal)」を見た!

ヘビメタ・ドラマーが、突如、耳が聞こえなくなり、人生に立ち向かう、せつない物語だ。

突如、聴覚障害を発症し、ショックを受けたり、困惑しながらも、元の生活に戻ろうとする。その必死な姿は、とても見ていられないくらい気持ちがよく分かる。耳が不自由になった人の立場で、時折、音声面でも、その状況をリアルに表現する。

アカデミー賞(候補)になるのは間違いない。必見の作品だ。

スラッシュ・フィルムキャストの2020年トップ10記事は以下より。

/フィルムキャスト2020年トップ10映画

「サウンド・オブ・メタル -聞こえるということ-」(Sound of Metal)

概要

アマゾン・スタジオが全米配給権を獲得し、プライム・ビデオでも2020年12月4日より配信中。120分。監督:ダリウス・マーダー、脚本:ダリウス・マーダー、エイブラハム・マーダー

出演:

  • ルーベン役(リズ・アーメッド)
  • ルー役(オリヴィア・クック)
  • ジョー役(ローレン・リドロフ)
  • ルーの父役(マチュー・アマルリック)

アマゾン・オリジナル配信とは言え、それほど大規模の予算で制作された映画ではない。主役のルーベンとルー、ろうあ者コミュニティのジョー、ルーの父の4名が主な登場人物。

ヘッドセットで視聴することが、映画オタク3人組からも推奨されている。なぜなら、聴覚障害を持つルーベンの耳の状況を、耳鳴りや無音という形でリアルに再現しているからだ。

あらすじ(ネタバレなし)

ドラマーのルーベン(男性・主人公)とギター兼ボーカルのルー(女性・ヒロイン)は、葉巻型の格好良いキャンピングカー(トレーラー)でジプシーのような生活をしながら、ヘビメタ・ユニットとして、全米を点々とライブ・ツアーしている。アルバムも出すなど注目も浴びている。

過去の薬物の影響か自己免疫の問題か分からないが、ルーベンは、突如、聴力をほとんど失う。パニックになったり、自暴自棄になるルーベンを救うべく、ルーはろうあ者のコミュニティーへ連れて行く。離れ離れになることを拒むルーベンだが、彼を思うルーは疎遠だった父の元に戻る。

ろうあ者のコミュニティのリーダー・ジョーの支援もあり、少しづつ、落ち着くルーベン。それでも、ルーとの元の生活に戻ることを諦めきれない彼が取った行動とは?その結果、彼や彼等の関係がどうなる?というストーリーだ。

ネタバレっぽいあらすじも含む感想

私も2年半くらい前に、突如、目のピントが合わない自己免疫系の病気になった。最初は、一晩寝れば治るだろうと楽観視したが、直らない。病院に行く、即、入院。取り乱したりはしないが、激しいショックと落胆を感じる。焦りながら、何としても元の生活にすぐ戻ろうとする。徐々に、そんな簡単な話ではないことに気がつく、そして落ち着いて病に向き合う。

その時の闘病記はこちら

この映画のルーベンも私の時と、ほぼ同じような反応を示す。彼の反応が痛いように分かる。彼の場合、最愛の彼女であり、バンドのパートナーでもあるルーと、元のジプシー生活に戻ることが彼の人生の全て。そのためには、高額で保険の効かないインプラント埋め込み手術に踏み切る。

この外科手術の結果・効果を知っていたら、大切な車を売ってまで、手術したのか疑問に思う。外科手術でも聴覚は元には戻らない。聞こえる音は、まるでメタルのような音(サウンド・オブ・メタル)。真空のような世界で、すべての音がディストーション処理され、キンキン鳴り響いているような状態だったのだ。

ろうあ者のコミュニティのジョーの支援もあり、一定の落ち着きを得ていたルーベン。そのコミュニティは、耳を直すのではなく、気持ちの持ち方を変えることで、聴覚障害という状況を受け入れ、人生に立ち向かうことを目的としている。

一方、彼女との生活を忘れられることなく、密かに手術に踏み切る。このコミュニティにいても元の生活には戻れない。居心地は良くてもそこでの生活を受けいれられないルーベンだった。

ジョーは「ここでの静寂(の瞬間)は、心の平穏を得られる場所。その場所は君を決して見捨てない」と諭しながら、彼を送り出す(実際には追放)。

彼女であるルーは何を望んでいた?ルーベンが発症前も症状は明るくない。死を意識している。ストレスからか腕を激しく引っ掻く癖が止まらない。疎遠だった父の元に戻り、ルーベンと再開したルーは別人だった。明るく、見た目も綺麗。それでも、ルーベンのことを大切に想い、待っていた様子。

ルーベンは、手術の結果が思わしくなくても、問題ないフリをする。ライブツアーやアルバム製作、そのためには、昔の生活に戻るため、お金を貯め、車を買うと意気込む。話を聞きながら、顔つきが険しくなるルー。父の家で治まっていた腕を激しく掻く癖が始まる。

父の家での明るい彼女の様子やその癖の再開を目の当たりにしたルーベン。最愛の彼女にとって最善の選択とは何かに気がつき、去ることにする(ルーは、ルーベンを好きでも、ツアーに明け暮れるバンド生活のストレスには耐えられない様子)

このシーンはせつなすぎる。元の生活に戻ることだけが生きがいだったルーベンは、立ち直れるのか?

最後のシーン。喧騒の街中で、外科手術で取り付けられた機械から聞こえるストレス満載の騒音に耐えかね、機械を取り外すルーベン。たぶん、そこで初めて真の静寂を感じたのだと思う。静かであることに、心から安堵の様子を見せる。何もかも失ったが、きっと、彼は立ち直れると心から思える。

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