短いから読んでみた『パーク・ライフ』吉田修一著

こんにちは!

本を読み始めると止まらなくなる。昨日、芥川賞受賞作の『スティル・ライフ』池澤夏樹著を読む。意外と芥川賞受賞作を読んでいないことに気がつく。この手の受賞作品は比較的、短めなようなので、芥川賞しばりで何作か読んで見ることにする。

ウィキペディアで芥川賞受賞作一覧を見る。第1回が1935年!2020年下半期が第164回となっている。該当作品がない回もある。約150作品の中から、30年以内くらいの最近の作品で、比較的、短めのもの、聞いたことはあるが読んだことがないものを探す。

真っ先に目に入ってきたのがこの本『パーク・ライフ』吉田修一著だ。吉田氏の作品は過去に読もうとしていながら、結局、読んでいないのかもしれない。念の為、自分のブログで「吉田修一」で検索すると『元職員』を1年くらい前に読んでいた。内容は覚えてない。同じく、一年前に吉田氏の『怒り』を原作にした映画も見ていたが、これも記憶がない。

一年前、TABICAで「オンライン読書会+映画もね!」を始めた頃、ゲストさんから吉田氏の作品の紹介があったのがきっかけだ。

短いから読んでみた『パーク・ライフ』吉田修一著

吉田氏は私と同年代。『パーク・ライフ』は2002年に発表。その年、第127回芥川賞を受賞。同年『パレード』で第15回山本周五郎賞を受賞

あらすじ

あらすじにまとめるのが難しい短い物語。ありふれた都会の一角での人と人の交流が描かれている。

舞台は都会のど真ん中の日比谷公園。主人公の男は化粧品等を扱う会社の広報兼営業。奥手なのか女っ気がないタイプだ。その主人公は留守にしている親戚夫婦の家で、ペットのリスザル「ラガーフェルド」の世話を兼ねて、留守番をしている。

たまたま、電車で会話をした女性と、だいぶ前からその公園で顔見知りだったことに気がつく。時々、その公園で会話するようになる二人。名前もお互いの素性も知らない。

女性は主人公の性格、状況を性格に見抜いる。経験の少ない主人公はその女性の考えていることが分からない。もう一歩踏み込めば進展するかもしれない。女性がある決意をする。その決意の内容がわからない主人公の取った行動は?!

感想

都会に住む普通の人々の普通の生活が普通の会話の中で淡々と静かに進んで行く普通の物語。

不思議と読んでいて心地が良い。遠慮がちな主人公の性格が安心感を与えているのかもしれない。何よりもリスザルのラガーフェルドに癒やされる。ペットに興味がなかったが、この猿なら飼っても良い気にさせる。

この短い作品は、事件もクライマックスもなく、静かに淡々と進む中、まだ、もっと続きが知りたいと思うところでバサッと終わる。

読後、この2人の今後のことを考えてしまう。主導権は女性の方にある。経験の浅い主人公が取る選択肢は少ないのかもしれない。都会のど真ん中の公園で、毎日のように過ごす人同士が知り合うことはあるだろう。そんな日常の一コマの心地よさがこの作品の優れているところのひとつだ。

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