「日の名残り」は恋愛指南映画?

こんにちは!ひろさんかくです。

カズオ・イシグロ原作の「日の名残り」の映画をネットで見た。平日夜、仕事疲れもあり、睡魔との激しい戦いになった。先日の「女王陛下のお気に入り」も、映画館でのビールが心地良く、軽く寝落ちしたし、イギリス系の歴史ものは、もしかすると苦手なのかもしれない。

イギリス英語が子守唄のように聞こえ始めたら、たいてい寝落ちだ。

好きな俳優であるアンソニー・ホプキンスは「ハンニバル」など怖い役のイメージが強く、この作品でも、いつ、その牙を剥くのか、ずっと期待しながら見たのも、ストーリーを十分捕らえきれない遠因になった。期待と違い、まったく善良な執事の役だった。

この映画の見所は、第二次世界大戦前という微妙なタイミングでのイギリスを舞台に、執事という特殊な職業を天職のように遂行する男の淡い恋の物語だ。

アンソニーは、女中のトップとして採用したやり手の女性が、遠慮せず、ずけずけ文句を言うのを、ひくひくしながら、なだめつつ、威厳を保ち、執事のプロフェッショナルに徹する。

ひょっとすると、この映画はホラーではなく、ロマンスものかもしれないと気がついたのは、一番の見せ場になってからだ。

その見せ場は、女性とアンソニー演ずる執事がもっとも親密になり得るシーンだ。そんなことやったら首の骨折られるとハラハラして見てたが、アンソニーは、はにかんでいることに気づいた。ハンニバルではなくはにかんでいる。

この見せ場で、抱き締めたり、チューしちゃうとか、絶対に、アンソニーは、一歩踏み込む場面だろうと思いながら見るが、何もしない。あっけないくらい何もしない。

執事という立場もあるのか、超奥手なのか、女性の扱いが苦手なのか、分からない。女性と付き合った経験なく、中年を迎えるタイプのようにも見える。

その後もチャンスはあった。この女性がある男性から求婚された時だ。なぜ、駄目元でも「行かないでくれ」と言わないのか。傍から見ていると、彼女はそれを待っているではないか。。。

実際、当事者だったら、その場では、意外と、言うべきことを言えないことがよくある。人生、後から思い出して、あの時、こう言っておけば、付き合ってたかもなんてことはよくある話。

この映画の中の現代に戻り、ふたたび、この有能な女性をスタッフに招き入れようとする。アンソニーは、まさか、ここで何とかしようと思ったのではなく、あくまでビジネスとして、有能なスタッフを確保したかったのだろう。彼女も、時が経ち、家族もいて、もう時すでに遅しだった。あわよくばの未練はあったかもしれない。男の場合、あるあるだ。

この映画のメッセージはなんだ?

正直いうと、もう1回見ないと分からない。「執事」という仕事に徹した一人の男の物語?それでは、つまならいだろう。

女性に奥手なタイプは、数少ないチャンスを逃さないようにしましょうという恋愛指南?

かもしれない。

戦前のイギリスでは、ドイツに協力しようとした有力者もいた。その主人のもとで働く執事や家政婦等は皆、大変だというお話?

違うと思うな、これは。

やはり、人生、数少ないチャンスをものにしないとだめだよという恋愛指南映画なのかもしれない。

ネットでの視聴期限が過ぎてしまったので、再視聴はあきらめ、kindleで原作『日の名残り』を読むことにする。