吉田修一原作映画「パレード」を見る

こんにちは!

作家の吉田修一氏の芥川賞受賞作『パーク・ライフ』から『パレード』に行き、映画「パレード」にたどり着いた。小説の『パレード』の感想は微妙だったが、映画もなかなか微妙なことになる。

吉田修一原作映画「パレード」を見る

概要

原作『パレード』は2002年の書き下ろし。映画化は2010年。行定勇監督・脚本。キャストは藤原竜也、香里奈、貫地谷しおり、林遣都、小出恵介。118分

あらすじ

原作の小説にかなり忠実に描かれている。一方、映画化に際し、細かいエピソードは相当、編集されたり、書き換えられている。映画でのあらすじをざっくり書くと、以下の通り。

2LDKに共同生活している4人の若者。男子大学生の良介は、典型的な怠惰な生活を過ごし、関心はスキな女の子のことばかり。無職の女性、琴美は同じ地元出身の元カレが売出し中の俳優。よりを戻した形になっているが、会えるのは俳優の短い空き時間にホテルに呼び出される。都合の良い関係にも見える。

同じく女性の未来はイラストレーターであり雑貨店員ということだが、飲んだくれているか、怒っているようなシーンが多い。この4人に後から加わる未成年のサトルを拾ってきたのは未来。年長であり、仕事をバリバリしているのは直輝。この家のリーダー的な存在。

良介は先輩の彼女に夢中。琴美は俳優の彼氏の連絡を待つ日々だが、良介や直輝からの指摘もあり、この状態が良いとは思っていない。

未来はきつめの性格だが、どうしてあれだけひどく飲むのか理由や事情は分からない。ただ、この共同生活の良い点も悪い点も理解している。

直輝は、他の3人にだけでなく、元カノに対しても、どこか、斜に構えた態度。最年少のサトルは4人をバカにしているが、ここでの共同生活の居心地の良さには魅了されている。

映画の冒頭から、時々、出てくる連続通り魔事件の報道。この若者との関係は!?

感想(少しネタバレ)

この4人+1人が、この楽しい共同生活に甘え、固執し、抜け出せなくなっていることは分かる。小説同様に、犯人の動機がわからない。あれだけの犯罪に対し、そこに至る経緯のようなものが描かれていないと、映画では、より唐突な印象がする。

最後のシーン。犯人が仲間の前で泣き出した時、他の同居人たちの無表情で怖い顔が印象的。普段、シリアスなこと、深い問題は避け、おもしろ、おかしく、楽しいところだけで表面的に付き合っている彼ら。

その中で、大声で泣き出すのは、この「甘えの生活」のルール違反だ。だからこそ、他のメンバーの失望が表情に現れる。サトルのように裏稼業で何をしていようが知ったことではない。この甘えの生活を壊すような部分を表に出すなという無言であり暗黙のプレッシャーだけは分かる気がした。

劇中で、独立系の映画会社で働く直輝が、今までで一番良かった映画として「2001年宇宙の旅」と答える。エイリアンとかではなく、もっと恐怖があると語る。次回、この映画を見てみよう。

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