(読むには3分はかかる)
こんにちは!
会社のリーダー研修(ある意味、洗脳のような)で、人事専門のコンサルタントから教えて頂いた本。実際に、その本を読んでブログ記事にする奇特な人はいないだろう。
そのコンサルからは「動機づけ(motivate)については、科学的に解明されている部分も多い。その仕組を理解しておいても損はない」と聞いた。この本、人事とかお仕事に関係する内容もあるが、より豊かな人生、より良い人間に成長してくための指南書とも言える優れた本だった。
概要
長い本を極力、簡潔にサマライズするとこうだ。
原始時代など、人類として、生きることを目的した動機(モチベーション1.0)があった。高度成長期など、単純作業の効率を上げるため、アメとムチのような外から与える動機(モチベーション2.0)が発展。
テクノロジーの進歩で、ルーチンワークも減少、もしくはアウトソースされる中、より創造性を求められるような仕事は、アメとムチでは、むしろ逆効果であることが、科学的に判明した。モチベーション3.0という新たな動機への進化が必要になっている。
(モチベーション3.0は、昔から存在していた。研究で分類され、現代、この特性を持つことに注目が集まっている。会社の人事制度も、かなり、この3.0的な部分を刺激するプログラムが導入されている)
モチベーション3.0とは、2.0のように外から与えられた動機ではなく、内から自発的に現れる動機。それは3つの要素から構成される。1)自立性(Autonomy)「自分の人生を自ら導きたい」(≒人からいちいち指図を受けたくない)、2)熟達(Mastery)「自分にとって意味のあることを上達させたい衝動」、3)目的「自分よりも大きいこと、自身の利益を超えたことのために活動したい」。
自らの意思で行動を決める、意義のあることの熟達を目指して、打ち込む。さらなる高みへの追求を、大きな目的へと結びつける。
人間には「新しいことややりがいを求める傾向や、自分の能力を広げ、発揮し、探求し、学ぶという傾向が本来備わっている」
このような傾向をもった人は、仕事でも学問でも成功したり、健康であったり、全般的に幸福度も高まる。
熟達については、マインドセットの変更が必要(Fixed Mindset(才能がないとダメみたいな考え)からGrowth Mindset(やればできるの発想)へ。” Mindset” by Carol S.Dwec・・・この本、原書で読んだのにブログ記事は断念)、そして、極めるためには、近道はなく、やり抜く力(Grit)が必要(“GRIT” by Angela Duckworthは、日本語訳で読んでいて、これはブログ記事化)
さて、自分はどちらか?
報酬とか、外からの動機づけで頑張るタイプなのか、モチベーション3.0に応じた、内部からの動機づけできるタイプか?この本の巻末にリンクあり、テストが受けられる。
そのテストのURLはこれ
英語の質問にきちんと回答できてないと思いたいが、私は、残念ながら、この著者の分析によるとトランプと同じ、外からの動機づけ(金とか名誉)のタイプだった。ショック。長年の社畜生活に人格も蝕まれているのかもしれない。幸い、意識すれば、内部からの動機付けのタイプにも変わることが出来るらしい。
そのためには、以下の2つをすると良いらしい。
- What’s your sentence? 偉大な人物は一文で記述できる仕事を残している
より大きな「目的」を目指して、人生の方向性を定めるには「自らを文章(一文)で描写すること」、そのためには自分に問いかける「自分を一言で表す文章は?」
例えば「連邦政府を守り奴隷を解放した」(リンカーン)「親子2世代に渡る生徒に国語を教えた」(学校の先生)
- Was I better today than yesterday?「昨日より今日は進歩しただろうか?」
「目的」が定まったら、毎日寝る前に、自分にこれを問い掛け続けるそうだ。モチベーション持続するため。マインドセットを「やればできる」に変えて、「グリット(やり抜く力)」でやりきり、「熟達(Mastery)」の域へ近づく。そのためには、人からあれこれ指図を受けない「自立性(Autonomy)」が必要。その上で、日々、努力をし続ける。
しかも、意識が高いので、設定している目標は高く、その熟達にゴール(100%)はない。タイガー・ウッズなど、その道の達人(Mastery)は、熟達を追求し続けることに喜びを感じる。
感想
とりあえず、読んだ後の勢いで、ブログ記事にした。本の内容を消化するにはもう少し時間がかかりそう。ただ、事業や学問や芸術などで大きな成功を成し遂げている人は、このモチベーション3.0を持っていることは理解できた。
この本の優れたところは、巻末にもう一度、各章ごとの簡単なおさらいがあること。それから、参考となる本や著名人の紹介も充実している。おまけに、最後にタイプ別のテストも受けられる。
さすが、純粋なこの分野の学者ではなく、法律の専門家であり、政治家やゴア副大統領のスピーチライターなどをユニークな経歴の持ち主。
きっと、この本がこの分野の専門家が書いたものだったら、一回読んで、ブログ記事にまとめるのは困難だったかもしれない。それくらい分かりやすい。

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