恐る恐る、参加してみた「朗読会」

こんにちは!ひろさんかくです。

『青少年のための小説入門』で、主人公が読み書きができないという障害を持っていたことから、人に小説を朗読してもらうシーンがたくさんあり「朗読」に関心を持った。

どちらかと言うと、私はカミカミで滑舌がよくない方だが、なぜか、朗読はうまいと錯覚しており、朗読会の朗読者がどの程度のレベルにあるのか興味もあった。上から目線だが、自分の実力が、どれくらい上にあるか比べてみようとすら目論んでいた。

もうひとつおまけに、映画のように映像と音声ではなく、音声だけで、情景やストーリーを想像し、理解するのは、脳科学的にも刺激あり、良いだろうと考えた。

つまり、朗読は、ひと粒で何粒もおいしいと考えていた。

第59回神奈川図書館朗読会

想像した通り、客層はシニア層が多いと言うより、シニア層ばかりかもしれない。サラリーマン風のおっさんは私だけで、浮いている可能性はあるが気にしない。朗読された方々は、クローバーという会より3名。朗読して頂いたお話は、すべて初めて聞くものだった。

1.「お皿の行方」阿川佐和子/檀ふみ作 『ああ言えばこう食う』より

阿川さんのエッセイ。この方の書く話は軽快で読みやすいので、朗読も聞きやすい。母からの、お皿を割らない秘訣として、皿を洗う時や片付ける時は「お皿の行方」を最後まで気をつけること。そうすれば、落としたり、ぶつけることは、まずないと言う紹介があった。

エッセイのオチは別の話であるが、初「朗読」体験としては、一通り、話も聞き取れ、楽しめたので、まずまずのスタートだ。問題は、部屋がポカポカして暖かく、気持ちが良いことだ。

2.「鳥取の蒲団の話」小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)作

小泉八雲は、母がギリシア系のイギリス人、明治時代に日本国籍を取得した日本文化の研究者。日本人である妻より聞いた伝説、幽霊話を文学作品とした『怪談』等が代表作。「鳥取の蒲団の話」も、同様に、妻が語って聞かせた鳥取の昔話を再話したもの。

朗読を聞くのは心地よいが、ここで問題が発生した。目を閉じて情景を思い浮かべながら、聞いていると、部屋が暖かすぎるからか、2秒くらい意識が飛んでしまった(つまり、寝た)。後半の可哀想な子どもたちの話の取っ掛かりを聞き逃したらしい。その後、いまひとつ、話の流れが理解できなくなってしまった。「朗読」は一瞬も気が抜けない!

3.「犀鳥(さいちょう)」遠藤周作作

遠藤周作は高校時代に授業で『沈黙』をじっくり読んで研究したが、豊臣秀吉時代のキリシタン弾圧の話と言うこと以外は、まったく覚えていない。短編である「犀鳥」は、その『沈黙』に通じる話であると、冒頭、朗読者より紹介があり、朗読が始まる。

寝てはいけないぞ。とりあえず、目をつぶるのは控えろ。

遠藤周作自身のことなのか、ある男性の話。この男の生涯で、寂しい思いや、つらい思いをしたときに、いつも生きものがそばにいた。犬、九官鳥、猿、最後に、犀鳥。この犀鳥が、この男性が書いたキシリタン狩りの話で、背教させられたポルトガル人司祭の話に繋がっていく。

朗読会の感想

1時間ほどの時間だったが、楽しかった。本来は、物語を楽しむべきだが、朗読を子守唄として、時々、心地よい眠りに落ちるのもリラックスできてよいと思った。朗読者には大変、失礼な話でかたじけない。それも、朗読者のゆっくりと、かつ、抑揚の抑えられた気持ちの良い語りのスキルがあってこそ。

私のカミカミ朗読では、誰も心地よい眠りに、落入ることはないだろうと悟った。妙な自信が、泡に消えた瞬間でもあった。

今後の予定

毎月、開催されているらしい。無料だし、もし、都合が付けば、また、参加させて頂こう。

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