こんにちは!
11年前の2010年の2月中頃、アメリカ大使館でのビザ面接は、今でも忘れられない体験だ。その年の正月明けに上司がニヤニヤしながらやって来て、2ヶ月後に米国への赴任を命じたのだった。
海外向けの事業をしている日本の大企業でも海外赴任できるチャンスは少ない。どんなに希望していても、タイミングや運も左右する。
私の場合、海外勤務希望など出しておらず、寝耳に水の話だった。しかも、弊社の中で最も激しく海外事業を展開している米国の会社にだ。
サンタクララとかサンノゼとか地域名を聞いても、シリコンバレーのど真ん中であることすら知らなかった。それが2ヶ月後の3月頭には、その会社の最年少の日本人執行役員としてオフィスの個室にいた。
従業員6千人くらい、世界100数十カ国に事業を展開している24時間365日営業のシリコンバレー企業の米国本社だ。
当時、アメリカ大使館での面談はやけに時間が掛かった。イメージ的には運転免許更新のようなプロセスだ。書類を提出してから、面接を受けるまで待ち時間がある。その後、恐怖の面接だ。
米国としては、自国の雇用を守りたいので、なぜ、この日本人が現地に赴任しないといけないのか、厳しく問われることもあると聞き怯えきっていた。
どんな質問を受けたか記憶はない。ただ、このビザが認可されてしまうと、全体像が分からないジェットコースターを目隠しで乗るような任務になるに違いないと恐怖を感じていた。現地に行くのが不安でしょうがなかったのだ。
あっさりビザは発行されたのだが、元SMAPの草彅剛さんも面接を受けていたのをはっきりと覚えている。
さて、今回。銀座線の溜池山王駅から大使館に向かうが、時間より前に到着することは認められていない。時間つぶしがてら、ランチにする。ランチの詳細は本題ではないので省略するが、大阪の人気お好み焼き屋チェーンに立ち寄る。
予約時間は13:15だ。時間通り、大使館の前に行く。その前に、通勤カバンは駅のロッカーに預けた。大使館への持ち込める荷物の制限が飛行機搭乗以上に厳しいのだ。提出する書類、スマホ(1台まで)、財布、本(待ち時間が長いので暇つぶしに推奨される)を小さなカバンに移し替えた。
コロナで行列がない!11年前は横浜の人気ラーメン店ラーメン二郎の行列の2倍はあった。すぐ案内される。面接会場も大きな違いが!そもそも人が少ないが、座席がすべて撤去されている。
ソーシャルディスタンスを取りながら、着席せず、受付、会計、指紋採取、面接のカウンターを回るプロセスだ。もちろん、本を読むほど待たされることもない。
今回は面接の心配などまったくしてない。代行業者に作成してもらっている書類は完璧だ。米国の会社からのサポートレターにも歯の浮くような私の経歴や紹介が書かれている。この11年間の経験で、今回の米国でのポストに自分以外の適任者がいるなら教えてくれと思っている。
面接の列に並ぶ。前の家族は5人で来ている。同じタイミングで現地に向かう会社の同僚もご家族3人で来ているのを密かに見つける。小中学生とかで現地で住むというのは、親の都合とは言え、どんな気分なんだろうとボンヤリ考える。
急に甲高い声が聞こえてくる。面接でトラブっているようだ。日本人には見えないが申請者の男性が、大きな声でなぜ自分はビザが必要なのかを説明している。英語は流暢だが、必死になりすぎていて、怪しさに拍車をかけている。
これは却下だなと眺めていると認可すると言われ満面の笑みで帰っていった。やれやれ。その後の女性の申請者も認可すると言われニコニコしていた。嬉しいんだ。。。
自分の番が来る。どこの会社で働いているの?勤続何年?アメリカでの会社名と役職は?米国ビザ始めて?2回目?前のビザ見せて?はい、承認する。一週間で届くから待ってて。Have a good day!
まるで海外出張時の入管チェック程度の面接だ。拍子抜けったらない。私も甲高い声を上げるくらいの厳しい質問や疑いの眼差しで見てくれと思いながら帰路につく。
今回乗るジェットコースターの方が、前回とは比べ物にならないくらい困難なシロモノであることは知っている。当時と比べ、現地の事業も大きくなり、従業員は数万人規模だ。それでも、目隠しはないし、多少の困難など、ビビらず対応できる経験も自信も持っている。
私の関心は面接より、今回も芸能人に会えるかどうかだった。実際、後からオーラを撒き散らしている背の高い綺麗な女性が入ってきた。モデルにしか見えない。マスクで顔が分からないが、松嶋菜々子だ!
少し若すぎるか?背が高いが10センチ位のヒールを履いている。こっそりネットで検索すると身長173センチだそうだ。プラス10センチなら、もっと巨人だろう。別人だった。でも、あの女優のようなオーラなんだったんだ?!
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