こんにちは!ひろさんかくです。
いつも、映画情報を仕入れてくるポッドキャストのスラッシュフィルム(/Film)で、映画評論家のBrian Raftery氏が『How 1999 Blew Up The Big Screen』と言う本を出版し、ゲストで登場。何やら、1999年は良い映画がたくさんあり、それらの映画の取材をまとめた本のようだ。
スラッシュフィルムの番組にて、数多くある1999年の良い映画の中から、ベスト5を発表。そこで、Brain氏が1位に選んだのが「Election」。
その後、ネットで邦題が「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」と知り、真剣に見るのをやめようか悩むが、見ることにする。理由は、100分程度の短い映画なので、外してもダメージは少ないからだ。
1999年は良い映画の宝庫らしい「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!(Election)」
Brian Raftery『How 1999 Blew Up The Big Screen』
以下、Amazon. comからの引用
From a veteran culture writer and modern movie expert, a celebration and analysis of the movies of 1999—arguably the most groundbreaking year in American cinematic history.
In 1999, Hollywood as we know it exploded: Fight Club. The Matrix. Office Space. Election. The Blair Witch Project. The Sixth Sense. Being John Malkovich. Star Wars: The Phantom Menace. American Beauty. The Virgin Suicides. Boys Don’t Cry. The Best Man. Three Kings. Magnolia. Those are just some of the landmark titles released in a dizzying movie year, one in which a group of daring filmmakers and performers pushed cinema to new limits—and took audiences along for the ride. Freed from the restraints of budget, technology (or even taste), they produced a slew of classics that took on every topic imaginable, from sex to violence to the end of the world. The result was a highly unruly, deeply influential set of films that would not only change filmmaking, but also give us our first glimpse of the coming twenty-first century. It was a watershed moment that also produced The Sopranos; Apple’s Airport; Wi-Fi; and Netflix’s unlimited DVD rentals.
Best. Movie. Year. Ever. is the story of not just how these movies were made, but how they re-made our own vision of the world. It features more than 130 new and exclusive interviews with such directors and actors as Reese Witherspoon, Edward Norton, Steven Soderbergh, Sofia Coppola, David Fincher, Nia Long, Matthew Broderick, Taye Diggs, M. Night Shyamalan, David O. Russell, James Van Der Beek, Kirsten Dunst, the Blair Witch kids, the Office Space dudes, the guy who played Jar-Jar Binks, and dozens more. It’s the definitive account of a culture-conquering movie year none of us saw coming…and that we may never see again.

- Fight Club
- The Matrix
- Office Space
- Election
- The Blair Witch Project
- The Sixth Sense
- Being John Malkovich
- Star Wars: The Phantom Menace
- American Beauty
- The Virgin Suicides
- Boys Don’t Cry
- The Best Man
- Three Kings
- Magnolia
恥ずかしながら、#2, 6, 8しか見たことないかも。#9は見たい映画候補。とりあえず、今回、#4 Electionの感想
ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!(Election)」
あらすじ
基本は、高校の先生とアグレッシブな女子生徒の物語。高校の生徒会長選挙に立候補したトレイシー(リース・ウィザースプーン)は、野心家で自身の成功のことしか考えていない。学校では孤立しており、友達もいないようなタイプ。
先生のジム(マシュー・ブロディック)は、3回も表彰されている先生で、選挙戦の監督も担当するが、とにかく、トレイシーが嫌い。
ジムは、結婚して9年目、最近、妻と妊活中も、愛情はもはやない。夫婦ぐるみで付き合いのあった友人夫妻が離婚し、その奥さんが気になってしょうがない。そんな中、嫌いなトレイシーが選挙に出たことから、彼の人生が狂っていく。
感想
この映画では、主要な登場人物は、いろいろ、大変な目に会うが、エンディングでは、全員、ハッピーになっている。
- 主役の先生も、学校を自主退職に追い込まれ、離婚するが、新天地で新しいパートナーに出会う
- 選挙戦で負けたポールも、大学に進学しエンジョイ
- 同じく選挙戦に出馬し、騒動を起こし、転校させられたポールの妹も、女子校で同性愛のパートナーに巡り会う
- トレイシーは、今や、ワシントンで民主党の政治家と一緒に働くような出世
100分程度の短い映画だが、最初から、最後まで流れるような展開でストーリーが進んでいく。同じく、最初から、最後まで、トレイシー(リース)の悪役ぶりが本当にすごくて、見ながら、地獄に落ちろと本気で思ってしまう。
冒頭で、倫理と道徳の違いの講義があるが、これが、この映画のテーマなのかもしれない。学者ではないので、倫理と道徳の定義は端折るが、ジムは、浮気を働こうとして、倫理的に失敗。生徒会の選挙戦でも不正を働き、ここでも倫理的に駄目。
ジムが、倫理的にも、道徳的にも、人としても嫌うもう一人の主役のトレイシーはと言うと選挙妨害を隠蔽するなど倫理的にかなりまずい。
結局、倫理だ道徳だと説いている先生もその道から外れているし、成功のためにはなりふり構わない生徒は順調。どちらも、良いと思えないし、魅力を感じない。
一方で、選挙戦のライバルのポールは、少し、お人好しなスポーツマン。問題ばかり起こし、レズであるポールの妹も、選挙戦で兄の勝利を祈る性根は良い人間のように見える。
この2人は、人としてはまともだけど、兄はトロそう。妹は同性愛者(20年前の映画なので、当時は差別もあったはず)と言うことで、倫理や道徳心があっても、それだけ良いのかと言う問い掛けのように感じる。
さらに、私が感じたこの映画での最大の疑問は、トレイシーの選挙妨害の証拠を掴んだはずのポールの妹が、なぜ、告発をしなかったのか。
選挙前夜に、妹は、トレイシーが自首することを祈る。もしかすると、トレイシーが、真人間になるチャンスを与えたかったのかもしれない。もちろん、そんなことする訳もなく、妹は問題児として、厳しい女子校へ。
見終わって、面白かったかと言われると、回答に困る映画。登場人物の誰にも共感できない不思議な映画。
それにしても、主役のマシュー・ブロディックが、若い頃の国広富之にそっくりと思ってしまうと、国広富之にしか見えなくなってしまう。
今後の予定
1999年のヒット映画から、他にも良さげなものを探して見てみよう。

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