一気に読んでしまう東野圭吾「宿命」

こんにちは!ひろさんかくです。

東野圭吾といえば、10年以上前に読んだ『秘密』がいまだに強く印象に残っている。印象に残っているだけでなく、当時、私自身、自分の冴えない人生で悩んでいたことに、この小説の衝撃の結末の部分が、どうしてか分からないが絡み合ってしまい、しばらく、気がつくとこの小説のことを考えていた。この『宿命』は、主人公も刑事であり、広い意味の推理小説であろうから、『秘密』とは違い、気楽に読み始めたが、そう簡単にはいかなかった。

『宿命』東野圭吾著

概要

1990年に発表。パソコン、スマホ、インタネット、SNSなどが大きく普及する前。この小説の舞台は、昭和の真ん中から後半くらいか。宿命のライバル同士だった少年が、成人し、ある事件をきっかけに再会、本人達が抱えていた秘密が明らかになる。

感想

主人公が昔の彼女に再会した後のお互いの気持ちの描写がリアル。別れたくて別れた訳ではなく、お互い、今までも忘れず生きてきた。しかも、お互いが現状の生活に満足をしていない。幸せではない。そのような中での再会。既婚と未婚という状況と、その再会した際の立場から、踏み込んだ関係にはならないが、一瞬、激しく燃え上がりそうな感情描写が、まるで自分の身の上に起こっているかのように、生き生きと生々しく感じてしまう。どうやったら、このように書けるのだろう?

この小説は、ある不幸な実験に関連する人々の家族が、ある事件をきっかけに引き寄せられ、彼らの数奇な運命・人生の謎解きに繋がる。複雑な登場人物の相関関係とストーリー展開、推理小説でもあるので、読んでいて犯人は、脇役っぽい人だろうななど想像しながら読む。実際には、班員探しより、彼らの人生を結びつけている見えない糸のようなものが何か、結論が知りたくて、後半200ページ以上、一気に読んでしまった。どうやったら、このように一気に読ませるようなストーリーを書けるのだろう?

小説を読むのに集中して、他のことが、しばらく何もできなくなるのは久しぶりだ。小説なので、遊んでいることに変わりはなく、やるべきことを後回しにしているので、うしろめたさはあるが、久々に心地よい後ろめたさを味わう。

メッセージ

この小説のメッセージはなんだ?

宿命、宿命のライバル。この小説の背景では、生まれながらにしてではなく、生まれた後の生活・家庭環境の違いが、本人の努力だけでなく、その後の成長や人生の成否にも影響があるということを伝えたいのか。

主人公はもっと良い人生を歩めたはずだと思うと、主人公が可哀相でしょうがない。

メッセージは分からないが、面白い小説だった。

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