(無駄に長い。読むには3分くらい)
こんにちは!
「Netflix オススメ映画」とネットで検索して発見したのが「はじまりのうた(邦題)」。原題は「Begin Again」。このブログでも何度か書いているが、邦題しか覚えていないとトラブルの元だ。例えば、外国人に紹介する時、うっかり「A Song of Beginning」とか「Beginning Song」とか呼んでも、永遠に伝わらわない。
たしかに「ビギン・アゲイン」では、英語が苦手な日本人には、映画のタイトルとしては、いまいちかもしれない。そう言う私も「はじまりのうた」と聞いて、歌の映画か面白そうだなと思い見ることにした。だから、誰も何も悪くないのかもしれない。
それでも「Begin Again」と言うタイトルは「はじまりのうた」より、この映画の内容を的確に捉えている。そう、この映画は「人生再出発」の物語なのだ。
音楽が心地良い!「はじまりのうた」(Begin Again)
概要
2013年のアメリカ映画。104分。公開当初、全米でたった5館しか上映していなかったのが、口コミで人気になり1,300館にまで広がる。劇中の音楽もアカデミー賞にノミネート。監督・脚本:ジョン・カーニー
キャスト:
- グレタ(キーラ・ナイトレイ):アマチュアのシンガーソングライター
- ダン(マーク・ラファロ):落ち目の音楽プロデューサー
- バイオレット(ヘイリー・スタインフェルド):ダンの娘、ギター初心者
- デイヴ(アダム・レヴィーン):グレタの恋人、ミュージシャン、実際にバンド「マルーン5」(Maroon5)のメンバー
- スティーヴ(ジャームズ・コーデン):グレタ、デイブと同じ学校の出身で友人
あらすじ(ネタバレはぎりぎり無し)
グレタは、恋人でありミュージシャンであるデイヴと一緒に作った曲が映画に使われ、イギリスからニューヨークにやってくる。プロの音楽家として有名になったデイヴの浮気で家を出て、友人のスティーブに頼る。スティーブが出演するアマチュアのライブで、グレタは飛び入りで一曲歌わされる。たまたま、居合わせた冴えないプロデューサー・ダンにスカウトされる。
ダンは、家族との別居や酒浸りで、自らが起こした音楽レーベルの会社から厄介払い。予算もなく、グレタのデモテープも作れない。そこで思いついたのが、ニューヨークの街角でのゲリラライブのレコーディング。ミュージシャンはダンがかき集めてくる。
別居中で年頃の娘が心配でしょうがないダン。レコーディング中、衝突したりしながら仲を深めていくグレタとダン。そしてバイオレットとも。
しばらくして、デイヴはグレタとヨリを戻したくなる。完成した異色作、新人アーティストのニューヨーク市内でのゲリラ・ライブアルバムは、ダンの会社でも高評価。プロとして契約するのか?デイヴとの関係は?ダンと別居中の家族とは?
感想(ネタバレあり)
この映画の優れた点は、グレタの歌う、どこか物哀しい曲の数々。サントラが欲しくなる。
また、あのビートルズの伝説のゲリラ・ライブ(ルーフトップ・コンサート)のようなイメージで、ニューヨーク・シティの路地裏や名所近くなど、様々な場所で、もう、本当に楽しそうに生き生きと演奏する。演奏シーンになごまされる。
グレタの友人のスティーヴは、見かけぽっちゃりでミュージシャン風ではないが良い奴。デイヴの家から飛び出てきたグレタを何も言わず、居候させる。元気づけるように彼のライブに連れて行ったり、ダンとのレコーディングでも大活躍する。
アメリカ映画でよく出てくる、無条件に良い奴。私もスティーヴ一押し!この役どころは、昔ならジャック・ブラックが適任だったと思う。
冒頭のシーンは三つの視点で繰り返されるので、こんがらがらないように要注意。最初は淡々とライブハウスで、グレタが無理やり飛び入りで演奏させられる。
次は、そのグレタが、恋人のデイヴと一緒にアメリカに来て、彼の浮気にブチ切れて家を飛び出し、友人スティーブにお世話になりながら、ライブハウスに連れてこられるまでの経緯。
最後はダン。別居中、酒浸りで会議にも遅刻するは、役に立たない意見で議論を錯乱し、あげく自身が作った会社に首にされる。やけになったダンが彷徨う内に、たどり着いたのがライブハウス。
やはり、浮気者の3B(バンドマン、バーテンダー、美容師のB)伝説は正しいと言うことを証明するようなデイヴ。浮気相手に飽きて(?)しまい、すぐ、グレタともヨリを戻そうとする。
この映画をもっと良くするには、ダンやグレタの人物像を詳しく描いてくれた方が良かったかもしれない。
ダンは、元々は敏腕のプロデューサー、別居で生活乱れ、今や会社からも家族からも厄介者扱い。お金もなく、見た目もホームレス、それでも、家族との関係を修復したい。そんな中、今回のゲリラライブのレコーディングで自分を取り戻す。
グレタは、元々、何を目指しているのか分からない。失意のどん底で、怪しげなプロデューサーに声をかけられ、その気になるだろうか?バリバリのプロの音楽家になる気はない。もしかすると、最愛のデイヴに裏切られたことを忘れるために、このハチャメチャなレコーディングに飛び込んだのかもしれない。
ハッピーエンドなのかな。ダンはそうだけど、グレタが求めていたことが分からないので良くわからない。彼女のアルバムが大反響となり、デイヴの恋人(、兼、一部、作曲のパートナー)から、一人の人間として自立できたことが「人生再出発」なのかもしれない。

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