こんにちは!
アメリカ赴任後、1対1の打合せを意図的に増やしている。この1ヶ月で、7件/月も増えた。
中でも、外国人経営者との1 on 1(1対1)は大変だが、重要であり効果的だ。上から合意を取っていけば、後はチームに任せることもできる。私は、先頭で前さばきをするような役割を担っているのだ。
今回は、そんな外国人との1 on 1 打合せの「心構え」「進め方」「応用?」について、誰の参考になるか分からないが語ってみる。
先日、その業界では国際的にもカリスマ的な経営者と1 on 1(ワンオンワン)を仕掛けた。事業の方向性とか混乱が出ており、業績も微妙になっている。その打開に向けて、腹を割って話したいが私の意図だ。もちろん、そんな意図があるとは先方は知らない。
このカリスマとは、1ヶ月前、私がアメリカに赴任した時、初めて直接、会うことができた。そもそもの人と人との相性もあるが、仕事に対するスタンスとか、なんとなく合い通じると感じるものはあった。先方も同じような印象を持ってもらえた(間接的に、別の日本人幹部から、彼から私への印象を聞いていた)。
彼は、100戦練磨の強者が揃う業界で、ゼロからトップクラスにのし上がった人物だ。アジアからの裕福ではない移民一家の出身で、(見えない)差別もありながら、ハングリー精神で、アメリカンドリームを体現した人物だ。こちとら、のほほんと育った平和ボケの日本人だ。
この1年間、オンラインでは時々、同じ会議に参加しており、お互いの気心は多少、分かっている。ただ、信頼し合える人間関係はまだ構築できていない。
英語のネイティブではない私には相当ハンディもある。最悪ケースは、話が噛み合わず、伝えたいことも、合意したいことも、今後についても、何も話せないで終わる。もっと最悪なのは、あんな奴と話しても時間の無駄だと、次回以降は出入り禁止になることだ。
打合せは、日本時間の夜。先方は朝のはずだ。何回も1 on 1をやっている相手なら不要だが、今回は、会話したい内容の簡単なメモを直前に送った。これは資料なしでの会話が弾まなかった時の助けになるし、会話したい内容を予告できるので効果的だ。
その日は朝7時から断続的に働いていた。正直、夜9時は疲れで頭の回転も鈍い。なんとかこの30分間だけでも眠くならず、集中力が切れないことを祈る。
事前にどのように話そうとかは考えない。台本を用意してもたいていは話が脱線したり、思い描いた通りには進まない。使いたいフレーズだけ、頭の中で確認しておく。後は、今日のゴールだけをノートに書いて頭に染み込ませる。
打合せが始まる。最初は軽いスモールトーク(雑談)で打ち解ける。隙を見て、今日の打合せで話したいことを伝える。聞いてもらえそうな雰囲気なので、もう一段階、踏み込む。不愉快な話で申し訳ないと言いつつ、顔色も見ながら、懸念や課題を畳み掛ける。
と同時に、自分自身、この事業の一員であり、真剣に今の課題に一緒に取り組みたい姿勢を示し続ける。言葉や顔や表情で。
なんとしてもこの苦境を乗り切りたいんだと、あんまり力まないように注意しながらも、こちらの情熱や真剣度が伝わるようにする。秘訣でもなんでもない「気持ち」が一番大事なのだ。
会話の中で、今の事業の状況を打開すべくアイディアを引き出す。彼から良いアイディが出てくる。私から「それは良い!」と全面的にサポートする意向を示す。最終的に、今日、達成したかった目標以上の議論ができた。ぜひ、また、このような打合せを続けたいと言ってもらえた。大成功だ。
その後は雑談タイムで、さらに親交を深めるべく、より深い話に向かう。こちらは聞き役に徹する。わざとらしくならないように、火にじわじわと油を注ぐ。話を聞きながら(傾聴)、共感を示しながら、全身で真剣に話を聞いている姿勢を示す。
半分、冗談も交えながら、彼も、いろいろ思うところがあるようで、この手のトップの人物には珍しく、無防備に愚痴や不平不満を口にしてくれる。実際、私も同じことに不満を持っていた。たった30分では難しいが、心の中にうっすらと溜まった毒を少しでも吐き出させていたら、大成功以上の成果だったと思う。
終わった後の缶ビールが美味かったことは言うまでもない。
もちろん、翌日、うまく話せてない部分や踏み込みが足りない部分の反省も、次回に備えて忘れない。うまく行った時でも、次に向けて改善改善改善が必要なのだ。
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