こんにちは!ひろさんかくです。
この作品が芥川賞を受賞した時、メディアでも頻繁に取り上げられ、注目を浴びた。個人的には、漫才師として、あまり記憶がなく、又吉氏の風貌から気難しそうな性格だから、小説も理屈っぽいのでは、そういう意味で、直木賞ではなく芥川賞なのか、なんてぼんやり思っていた。でも、読むほどの関心がわかず、今に至っていた。
このゴールデンウィーク中のブックオフのセールで、思わず手にしたのが読むきっかけとなった。
芥川賞受賞作『火花』
概要
まだ、駆け出しお笑いコンビの主人公が個性的な漫才の先輩に出会い、師事するお話。先輩と後輩の真剣なお笑いへの追求と挫折を描く。
感想
最初の5ページくらいは、状況描写が中心で、スラスラと読める文章ではなく難しい。その後、先輩との会話も、ギャグの要素も含まれているからか、異常に真剣ながら、理屈ぽい内容に、何度か寝落ちしてしまう。
読み切れるかと心配になる。これで500ページものの大作だったら、積読の最下部に真っしぐらだったかもしれないが、薄いので気を取り直して読み進めた。
徐々に、先輩やお笑い仲間との会話のシーンが増えたからか読みやすくなる。彼らの生活にも変化が出てくるので、先が知りたくて、一気に読んでしまった。
この本のメッセージはなんだ?
先輩が言う通り、ボクサーになれなくても人を殺せるくらいの能力を身につけられるように、お笑いも売れなくても、人を笑わせる能力を身につけられた。しかも人を殺すのではなく、笑わせて幸せにすることができる。
お笑いと違う世界に行っても、周りの人を笑わせ続けて行けと言うアドバイスは、お笑いの世界の若者すべてに対する強いメッセージである。同時に、別の業界でも、たとえ挫折しても、真剣に打ち込んできたら、何かしら能力を身につけているのだから、決して悲観してはいけない。と言うことだと思った。

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