こんにちは!ひろさんかくです。
映画の感想をブログで書いている割には、人生通算で見た映画の数も質も圧倒的に足りてないのは自覚している。なので、最新の映画をチェックしつつ、過去の映画でオススメや賞を取った作品など、良さげなものは片っ端から見ている。この映画もそんな作品だ。
アカデミーの作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞を受賞。ゴールデングローブでも作品賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞を受賞。
びっくりしてしまうのは、主演のラッセル・クロウは前年の2000年に「グラディエーター」でアカデミー主演男優賞を受賞したこと。グラディエーターでのあのマッチョなラッセル・クロウが私の彼のイメージだ。他にも「レ・ミゼラブル」でヒュー・ジャックマンを執拗に追いかける警察官役もマッチョだ。
一方、この映画のラッセルはマッチョのかけらすらない。
むしろ、この映画は、実話に基づいており、本人の話し方なども真似ている部分あり、精神を病む天才数学者として、ラッセルのイメージを覆す、繊細というか、おたくのような役柄を演じているのが印象的
どんでん返しがすごい「ビューティフル・マインド」2001年アカデミー賞受賞作
あらすじ
「シックス・センス」の後半のどんでん返しで、ショックを受けたことをいまだに覚えている。この映画も、そこまでのショックではないが、どんでん返しがある。20年近く前の映画なので、ストーリーもネットに出回っており、赤裸々に書いても良いように思うが、極力、ネタバレしないようにあらすじを書く。
天才数学者のジョン・ナッシュは、この世界での第一人者となるべく、理論の発見・研究に取り憑かれている。大学でも授業に出ず、ひとり研究に明け暮れる。その後、軍事関係の研究所で職を得るが、米国と旧ソ連との冷戦中であり、その才能から軍事関係の極秘で危険なスパイ調査の任務に巻き込まれていく。
最愛の妻と子どもを授かり、危険な任務から外れたいジョン。その任務の重要さやリスクから、精神的に破綻をきたしてしまう。その彼の再起までの半生記が描かれている。
たぶん、ネタバレはしていない。
実話との比較
ネットで調べた限り、この映画の元になっている原作『ビューティフル・マインド』シルヴィア・ネイサー著では、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者であり数学者であるジョン・ナッシュの重度の統合失調症や、その病気は、人間的・職業的な関係からのストレスを起因することが説かれているそうだ。
彼の人間性など人生を多方面から語っており、ピューリッツァー賞にもノミネート。
- 幻聴と幻覚:映画では、極度の幻覚に悩まされる。しかも、学生時代の頃から。実話では、学生時代にはなかったらしい。
- 結婚と離婚と再婚:実話では、病になった後、離婚し、ただ、元妻から世話を受けながら、復縁する。映画では、省略されて、奥さんが献身的に看病していたような印象
- 病気の原因:映画では旧ソ連の諜報活動を暴く、軍事関係の任務だったが、現実では、難解な理論を説くことに没頭した結果のようだ
実話より、エンターテイメントとして、映画で描かれていることに対し、どう感じたかに意識を傾ける。
感想
書き忘れていたが、奥さん役のジェニファーコネリーが圧巻の綺麗さ。
まるで取り憑かれたように、難解な理論の探求で、精神に支障をきたすのは理解できる。天才過ぎるがゆえに、ひとたび歯車が狂うと、あそこまで行ってしまうのかな。
ろくに微分積分すら解けない文系の私では、難解な理論を探求すらできないので、病むリスクも低いだろう。凡人で良かったと一瞬思ってしまう。
実話と映画の違いにはこだわらないとしたが、映画のように、まだ、成功する前の学生時代から、自身の成功を追い求めるあまり、病んでいいったのは理解できる。
途中、ジョンが病んで、奥さんにも危害を加えそうになった段階で、奥さんはジョンから去るべきと思った。映画では、この夫婦の途中経過が省略されているが、ひと工夫あっても良かったように思った。
事実は、物語より奇なりではないが、実話では、この夫婦は、ジョンが回復し、念願のノーベル賞を受賞した晩年、交通事故で夫婦揃って即死しているそうだ。
この映画は、もう一度見直して、どのような印象を持つか見てみたい。

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