偶然見た「5億円のじんせい」

5 million dollar life

こんにちは!ひろさんかくです。

インドのハイデラバードからタイのバンコクへのタイ航空でのフライトの中、恐る恐る映画をチェックしてみたら、唯一、日本映画があったのでそれを見ることにした。

タイトルは「5億円のじんせい」だ。知らない映画だったが、意外と結末を知りたくて、集中して見てしまった。映画として、何か得ることがあったかと言うと微妙かもしれない。何を言いたかったのだろう?何がメッセージだったのだろう?もやもや感は残るが、3時間半ほど、何もすることがないときには、見ても良い映画かもしれない。

偶然見た「5億円のじんせい」

5 million dollar life

概要

主演は、望月歩、ヒロインは山田杏奈。お母さん役に西田尚美。平田満等が脇を固める。監督はムン・ソンホという外国人。2019年夏公開の日本映画。上映時間112分

あらすじ(含むネタバレ)

主人公の少年は、子供の頃、重い心臓疾患を抱えていた。寄付により、米国での手術費5億円を得て、現在、高校3年生まで成長することができた。手術当時から、マスコミでも報道され、毎年のように支援者たちへの感謝会が開催される。母子家庭である母親は、皆さんのお蔭で生かせてもらえたのだから、良い子に育たないといけないという強迫観念を持っている。本人も母親のことを思いながら、何も言い出せず、高校3年生の夏が来た。

感謝会で、恩返しのために医者になると言ってきたが、なりたくはない。母親からの良い子であれプレッシャーにも耐えられず、家出して、思わず、死のうと思うが、見知らぬ人からのメッセージで、生きることにする。手術費の5億を稼げるまでは家に帰らない決意をする。

家出中、時給での仕事、日雇いの仕事、風俗まがいや風俗、裏稼業のような仕事に巻き込まれていく。普通の時給では5億円を稼ぐには117年も掛かるのだから、少しでも効率の良い仕事をやりたい。重い病気を患い、過保護に育てられたので、華奢でひ弱な少年で力仕事などは何をやらせてもだめだったが、母親に愛情たっぷり、正直で真面目な少年に育てられたので、不思議と人から優しくされ助けられる。

裏稼業などで少し稼げたが、最後は宝くじが当たり5億円を、夏休み期間中に稼ぎ出す。病気で入院していた子供の頃、同じく重い病で入院していた年上の女の子との約束を果たしに病院に行き、そこで死のうとするが、女の子の妹に助けられる。彼女が、少年に謎のメッセージを送り生かせていた張本人であり、亡くなった姉からの遺言でこの少年を見守ることになっていた。

家出期間中に大きく成長した少年。母親にも医者になりたくないことを告げる。重い病気から、人の支援で生き延びられたという過去を持つ少年が、良い子として演じて育ってきたが、大人になる一歩手前で、自我に芽生え、人として大きく成長するひと夏を描いている。母親の過保護のような育て方に疑問も湧くが、心が綺麗な優しい人間に育てたので、今回、やりきる事ができた。

感想のようなあらすじのような感想のような

映画の冒頭で、人が一生、生きていく上で掛かる費用は2億円、一般に、人が一生で稼ぐお金も2億円。普通の人は差し引きゼロの人生。それに対し、主人公は、人からの支援で、小さい時に5億円も使ってしまった。その5億円の重みと痛みから抜け出すために、5億稼ぐ必要があり、その稼ぐ過程で、大きく成長を示す青春物語。

華奢な主人公が、元大病を患った過去がある貧弱な少年役をうまく演じている。幼少時代の同じ病院の年上の女の子がヒロインだが、登場時間は少ないが、このヒロインの儚さも伝わってくる。少年が家出をした際に助けたホームレスの平田満のひたすらな優しさがこの少年を大きく成長させた。女手一つで、難病のこどもを救い育て上げた母親役の西田尚美の演技も光る。

ここまで書いて、この映画のメッセージのひとつが見えてきた。全国的に有名人となった重病だった少年が、一般の人に戻るには、その施しを得たお金を稼ぎ出すことで、支援者たちへの負い目や気使いもなくなり、独り立ちできるかもしれないという仮設だ。それから「生きていくには、稼がないといけない」と言う普通のことも隠れたメッセージなのかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください