こんにちは!ひろさんかくです。
先日のアカデミー賞でも、撮影賞などを受賞した話題作が日本でもロードショー中。この映画は、劇場で見た方が良いと思う。気が付いたら、その映画の世界にはまり込んでいる。まるで、主人公と同化したような錯覚に陥ってしまうから。
まさに、エンタテイメントとは、こうでなくては!と、悲惨な戦争を題材にしているが、映画を通じて、ここまでかと言うくらいの非日常の世界を体験できる。ストレスも発散。
臨場感でもだえる!「1917 命をかけた伝令」
概要
1914年から始まった第一次世界大戦のヨーロッパ戦線での一コマを描いたもの。実話ではなくフィクションだが、当時の状況から、このような過酷なミッションを与えられたであろう若者の勇気と狂気を描く。
あらすじ
この映画はネタバレしても問題ないと思う。シンプルなストーリーだから。
フランスで、ドイツ軍と戦闘中のイギリス軍。ドイツ軍の撤退を受けて、イケイケどんどんで突き進むイギリス軍1,600人の兵士達。いよいよ、明日、総攻撃の準備が整う。
撤退はドイツ軍の罠であり、待ち伏せ攻撃を把握した後方のイギリス軍司令部は、2人の若者に突撃停止の伝令を指示。無線や電話が使えない状況のため、現代では考えられない、紙の命令を運ぶメッセンジャーとなる。
敵陣地を突破するため、ドイツ軍によるトラップや、残っていた部隊による攻撃をかいくぐり進む。明日の総攻撃を果たして止められるか?!兄を救えるか?
感想の前の感想
およそ100年前!の戦争。まだ、爆撃機やミサイルによる空爆はない。大陸での戦いは、銃剣を持った兵隊の数と作戦の勝負。砲弾の飛び交う中、塹壕から決死の突撃による肉弾戦でどこまで陣地を確保できるかが勝敗の分かれ目。ラグビーのスクラム合戦のよう。
伝令を命じられた若者の一人が選ばれた理由は、地図が頭に入っていて、方向感覚に優れているから。もう一つの理由は、おそらく、この理由の方が本命だが、ドイツ軍に待ち伏せ攻撃を喰らうはずの部隊に兄がいること。
司令官からの命令だけでなく、兄を救うと言う人質も取られている。
参加するもう一人の若者は、指名された若者の友人だっただけが理由。巻き込まれたようなもの。それでも、命令に従わないといけないのが戦場の掟。
感想
最後のシーンでは、主人公の若者が砲弾飛び交う中、ミッションを実行するため、命がけの行動を起こす。映画館の席に座りながら、自分もその砲弾の中にいるように、身悶えてしまう。
こんなに映画の世界にのめり込んでしまったのは、いつ以来だろう?
どうして、こんなに映画の世界にのめり込めたのだろう?
もちろん、この映画の特徴である最初から最後までワンカット”風”が、2人の若者の奮闘にリアルさを加える。まるで、その場にいるような臨場感を生み出し、気がついたら、自身もその100年前の現場に放り込まれている。
見終わった後、妙な達成感を得る。
感想の後の感想
戦争映画は、戦争の悲惨さを伝えることだけが目的ではないと思う。もちろん、敵を徹底的に叩き潰すのを見て、快感を得るのは正常ではないと思う。
では、この映画では何を伝えたかったのであろう?
このようなアナログな時代での戦いは、紙の伝令を命かながら運ぶことがミッションになることを伝えたかったのか?
ひとたび、ミッションを受けたら、それを遂行する戦士の忠誠心を描きたかったのか?
使命感、忠誠心で始まったミッションだが、一人の若者は、兄を救うと言う、もう一つの明確な目的があった。
もう一人の彼を突き動かしたのはなんだろう?どちらかと言うと、こんな命からがらのミッションに巻き込まれた感の方が大きいのに。
もはや、立ち止まったら終わりで、決死の突撃も、伝令を伝えないと殺されるくらいの恐怖感や強迫観念からだったのではないか?スティーブン・キングの「死のロングウォーク」のように。
もし、自分が主人公の立場だったら、どうしたんだろう。命令には逆らえないから、きっと 同じような行動をしただろう。誰もが、このような狂気の行動を迫られる。それが戦争と言うことを、リアリスティックに描くことで伝えたかったのかもしれない。

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